展望台の家 — 海と山をつなぐ、葉山の地形に寄り添う住まい

葉山・一色という土地は、海と山に抱かれるように穏やかな景観を持つ。この地域に点在する木張りの住宅の佇まいに呼応するよう、本計画では外壁に杉板を採用した。
素材そのものが持つ表情が、周囲の環境と自然に重なり、時間の経過とともに味わいを深めていく。
計画地は、一色海岸と御用邸、さらに遠景には江の島までを望むことができる特別なロケーション。

そこで2階のLDKには、三角形に張り出した特徴的なバルコニーを設けた。ここから外階段で屋上へと連続し、住宅全体に“回遊するような楽しさ”を与えている。

ペントハウスをあえて設けず、階段を外観に現すことで、建物のフォルムに軽やかなリズムを生み出したのも意図的な操作だ。

敷地いっぱいに四角い箱を置くのではなく、必要最低限の部屋数を確保しつつ、外の風景とのつながりを最大限に引き出すことを優先した。
屋上に立つと、一色海岸と江の島、背後の山々、そして葉山の街並みまでが一望できる。まさに“展望台”の名を冠するにふさわしい住まいである。

アプローチには高低差のあるステップと植栽を組み合わせ、飛び石のように軽やかなリズムを与えた。
内部では、2階のLDKをワンフロアとしながら、キッチンとリビングのフロアレベルを敢えて変えることで、視線の高さや天井の表情が変化し、ひとつながりでありながら奥行きのある空間を構成している。

葉山の自然と地形、その場所に広がる景色を最大限に取り込みながら、日々の暮らしに“歩き回りたくなる愉しさ”を忍ばせた住宅。それが、この「展望台の家」である。


屋上からの眺望

バルコニーから屋上につながる階段

屋上

屋上からみる御用邸と一色海岸

湘南の海

玄関ポーチ

杉張り玄関ドアは外壁と同じ材でできている

洗い出しの玄関

木製ストリップ階段


LDK


LDK


LDK

寝室

計画CGパース